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本当に安売りはダメなのか?ビール・牛丼・ハンバーガーの戦略とは

安売り・割引は本当にすべきではないのか?
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ふとSNSであるコンサルタントの方が、「安売りは絶対にダメ!」ということをおっしゃっていました。何がダメかということはあまり詳しく書かれていませんでしたが、要は安売りをすると定価での販売をしようと思った時に売れなくなるからやめなさい、というものでした。

たしかにそういった部分はありますが、本当に安売りや割引というのはすべきではないのでしょうか?割引や安売りをして成功した事例というのはないのでしょうか?

安売り・割引がダメだと言われる事例

安売りで失敗したマクドナルド

ファーストフードチェーン店等は安売りで失敗してきた

「安売りや割引はいけない」とはいいつつも、今でもアパレルショップでは当たり前のようにバーゲンセールが行われています。世界的に有名になった日本発のユニクロでもそうですし、世界第一位のアパレル小売店であるGAPですらもバーゲン・セールを行っています。

つまりバーゲンセールで安売りをすること自体が問題、というわけではありません。ではなぜ安売りやセール、バーゲンと言うのはどうしてダメなのか?そう言われる背景になるであろう安売りや割引をしたことによって失敗してきた事例を紹介しましょう。

安売りの失敗事例:ビール業界の発泡酒戦争

一つの典型的な事例にビール業界の安売り戦争、特に発泡酒が安売りされていた時代のことがあります。今では第三のビールもあってさらに安いビール系飲料があるわけですが、発泡酒は安くビールと似た味・のどごしを楽しみたい人たちに人気が出たのはご存知のとおりです。

発泡酒はビールよりも安く飲めるということが売りだったために安売りを行っていましたが、あるラインから安売りをピタッとやめました。確か115円前後だったと思いますが、そこから125円程度まで値段が戻ったのです。それからは現在の価格くらいで落ち着いています。

なぜビール業界が発泡酒の安売りを行っていたが、あるラインから安売りをやめたのでしょうか?実はこれはビール会社の利益が下がったことが原因です。発泡酒は売れているのに利益は減益になってしまったのです。つまり売るためのコストのほうが高くかかってしまったわけです。ですのでコストを回収できる価格帯まで戻して利益を確保したのです。

安売りをしすぎて利益を毀損してしまっているという点で、あまりにも過度な安売りは良くないということを示す、いい例がこの発泡酒戦争です。現在では第三のビール競争がありましたが、ここまで過度な値段を下げる競争はしていません。ビール会社も発泡酒戦争で学んだということでしょう。

事例2:牛丼チェーン店の安売り競争

二つ目の事例は牛丼チェーン店に関するものです。牛丼は今ではだいたい350円~380円くらいになっていますが、一時期は280円程度で販売されていました。280円で牛丼が食べられるなんて、かなり安くて若い男の人にはありがたいものでした。今でも十分安いのですが、それ以上に安売り競争をしていたのです。

牛丼チェーン店で最も安売り競争をリードしていたのはすき家でした。すき家は280円もさることながら、期間限定で250円という更に安い値段で販売していたこともあったくらいです。しかしいま御存知の通りワンオペで批判をされたり、従業員のTwitter問題などが浮上するなど問題が多くなっています。

すき家は出来る限りワンオペで人件費を減らし、少しでもコストをカットすることで280円という値段でも利益を出していたのですが、さすがに問題も多くなってきたのです。つまり利益を確保するためにどこかに歪が出てしまう価格帯まで下げてしまった、というわけです。ですのでその後380円前後まで価格は戻っています。

そして吉野家はそれに加えて高価格帯の牛鍋なども販売することによって、売上高も利益も伸ばしています。結局安売りをしていても利益も売上高も伸ばせず、価格を戻すことによって売上高と利益が伸びている点が特徴であり、これも安売り・割引の失敗例の一つとして言えると思います。

安売り・割引とはコストリーダーシップ戦略である

コストリーダーシップ戦略とは?

安売りでシェアを獲得するコストリーダーシップ戦略

安売りの事例を2つご紹介してきましたが、本当に安売りは悪いことなのでしょうか、ダメなことなのでしょうか?本当に安売りがダメならばセールもしないし、コンビニだって昔のように定価販売ばかりをしているでしょう。デパートだって高い値段のまま販売しているはずです。

つまり安売り自体は悪くはないのです。実は経営学ではコストリーダーシップ戦略という安売り戦略がちゃんと存在しています。コストリーダーシップ戦略は安売りを推奨し、安く販売して多くの人に買ってもらうことでシェアを獲得することを目指しているのです。その逆がいわゆる差別化戦略と言われるもので、シェア獲得よりも1人当たりの利幅を最大にすることを目的としているのです

コストリーダーシップ戦略の事例:マクドナルド

ではコストリーダーシップ戦略のわかりやすい事例として、ここではマクドナルドを取り上げてみたいと思います。マクドナルドは一時期、65円という安さでハンバーガーを販売していました。その前でも80円、今でも100円や120円という価格帯になっており、モスバーガーなどの高級路線バーガーとはだいぶ違います。

マクドナルドが差別化戦略としてしっかりと一人あたりの利益を最大化しようと考えた場合、どうなっていたでしょうか?今のように日本全国に広まっていたでしょうか?おそらくそうはなっていないでしょう。マクドナルドはみんなが手の届くリーズナブルな価格帯で一気にシェアを獲得していったのです(もちろんシェア獲得には他の要因もありますが)。

逆に原田さんが社長をしていた時には客単価をあげようと、高価格なバーガー商品をたくさん出していました。確かに客単価は1~2%アップしていたのですが、その分多くの客足が遠のいていたのが事実です。結局、安売りで呼んでいたお客を単価を上げることで手放してしまったというわけです。

これで増収増益なら問題はありませんでしたが、高級路線にかじを切る前の既存店舗を整理していた時と変わらないかむしろ減収減益になっていたのです。高級路線にかじを切ることでお客さんを手放したことで、逆効果を産んでしまったというわけです。

客数×客単価で利益を最大化することが重要

利益を最大化する事こそが重要

客数×客単価の計算式で利益を最大化できるかが大事

商売と言うのは突き詰めると「客数×客単価」だと言われています。月に100人のお客さんに5000円の商品を売れば、50万円の売上になります。もちろん仕入れや販管費など諸々の検討すべき点がありますが、単純化して考えるとこの方程式が当てはまります。つまりは客数×客単価で最も利益を残せるバランスを探ることが重要なのです。

上記のマクドナルドの65円ハンバーガーにしても、牛丼の250円にしても、発泡酒戦争にしてもそうですが、安くすればするほど確かにシェアは獲得出来ます。多くの人が買い求めてくれるでしょう。しかし販売するには様々なコストが必要です。人件費、店舗家賃、運送費に水道光熱費、仕入れや製造費等…

こういったコストがかかるのでどんなにシェアをあげて売上を増やしても、ある一定以上価格を安くしてしまうと、利益が減ってしまうのです。ですので損益分岐点分析に近いものがありますが、最も利益を出せるポイントを探ることが経営の値決めということになると言えるでしょう。

まとめ:利益を圧迫する安売り・割引が良くない

以上をまとめると、安売り自体はコストリーダーシップ戦略という経営の戦略があるくらいで、悪いことではなく立派な戦略の一つです。しかし多くの大企業はこの安売りで失敗してきている事例があります。そしてその事例の多くが、安売りをして売上・利益を圧迫してしまったという事例です。

アウトロードは大阪市の中津に事務所を構えていますが、大阪という土地柄なのか安売り・割引というのは非常によく求められます。ネットのクラウドソーシングサービスでもより安くしてほしいという要求は頻繁にあるものです。そういった商売を安売り・割引で受注をしても悪くはありませんが、それで自社にいくらのお金が残るのか?を考えるべきです。

仕事の数や実績を積むという点で安売りで受けることもひとつの戦略でしょう。ただし、その場合は利益をよく計算して受けるかどうかを決めましょう。10万円の仕事を5万円で受けて、仕事が完了するまでに費やした時間が50時間とした場合、時給1000円の仕事になります。そこに水道光熱費や家賃などを日割りした場合、最低時給を下回る仕事になるのではないでしょうか。そういった仕事は受けるべきではありません。

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